大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

新潟地方裁判所高田支部 事件番号不詳 判決

主文

被告人山岡貞作を懲役参月、被告人方成甲を懲役四月に各処する。

未決勾留日数中各弍拾日を右本刑に算入する。

訴訟費用は全部被告人等の負担とする。

理由

被告人山岡貞作は共産党上越地区委員会の書記、被告人方成甲は元在日朝鮮人民主青年連盟長野支部の副委員長をしていたものであるが昭和二十四年四月八日午後三時頃高田市大手町所在の国家地方警察新潟県中頸城地区警察署庁舎正面の空地及び同署向側小島医院前道路の附近に於て曩に同月七日朝行はれた中頸城郡新井町と同郡中郷村在住の朝鮮人などに対する密造酒被疑事件の一斉検挙に逮捕された被疑者三十数名の全部即時釈放要求を大衆の威力により貫徹せんとして同月八日午後二時頃から前記場所に蝟集していた朝鮮人など約二、三百名位と共に高田市公安委員会の許可を受けないで同日午後六時頃まで公衆の自由に交通することができる場所である同署前の空地及び同署前の幅員約六間位の県道の一部を占拠しその間に於て

第一、被告人山岡貞作は右群衆に対し敗戦後何等職も与へずにおいて生活の本拠である密造を何故検挙したのか、それは吉田反動資本内閣の民族分離政策であるなどと暗に右検挙を非難するような演説をなし又「赤旗」の歌を合唱して気勢を挙げるなど群衆を指導し

第二、又被告人方成甲は衆に率先して団結を強調し又大衆を指揮してスクラムを組ませ或は朝鮮開放歌の合唱を指導して気勢を挙げるなど群衆を指導し

以て公衆の集団示威運動を行つたものである。

(証拠省略)

(適条)

昭和二十四年新潟県条例第四号第五条第一号第一条第一項及び刑法第二十一条刑事訴訟法第百八十一条第一項

(昭和二四年一二月六日新潟地方裁判所高田支部)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!